デュ=プレと琵琶行

聴き始めるとその強烈な魅力に取り憑かれ、数週間は聴き続けることになるチェリスト、ジャクリーヌ・デュ=プレ。


彼女の弾くドヴォルジャークのチェロ協奏曲に最近はすっかり魅せられています。


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一緒にあるのはわたしの愛器、ジャン・バウアーのヴァイオリンです。

今日も繰り返し聴いていたら、ふとわたしの大好きな漢詩、白居易の「琵琶行」の一節を思い出しました。



大絃は嘈嘈として急雨の如し

小絃は切切として私語の如し

嘈嘈と切切と錯雜して彈き

大珠 小珠 玉盤に落つ

間關たる鶯語は花底に滑らかに

幽咽たる泉流は水灘を下る

水泉 冷澀して 絃 凝絶し

凝絶して通ぜず 聲 暫く歇む

別に幽愁の暗恨 生ずる有り

此の時 聲 無きは 聲 有るに勝る

銀瓶乍ち破れ 水漿迸り

鐵騎 突出して 刀槍 鳴る


「本是れ京城の女」、琵琶の天才で都いちばんの妓女だった彼女が「落ちぶれて」商人の妻となった姿に、


罪を得て左遷中だった白居易は自分の姿を重ねて作ったと、その序で書いています。



彼女の琵琶を弾くさまを詠んだこの数下り、そのままデュ=プレの骨太で深く、


しかしその奥にどうしようもない哀しみを内包した調べにも当てはまるような気がするのです。



特に最後の2行、時に攻撃的なデュ=プレの弾き方はまさにこのようで、しかもそれが不思議と魅力的でもあるのです。


強い女の哀しさ、でしょうか。



ちなみに、「琵琶行」には茶も出てきます。



商人は利を重んじて別離を輕んじ

前月 浮梁(地名)に茶を買いに去る




長文をお読みくださいました方、どうもありがとうございました。

素敵な晩をお過ごしください。



ドヴォルジャーク「チェロ協奏曲」デュ=プレ/バレンボイム指揮シカゴ交響楽団

https://m.youtube.com/watch?v=afjQu4vG_tE&list=PLrWFQejUcsD_YDFaUL-8WEjyAGebWiE4c


ジャクリーヌ・デュ=プレの壮絶なまでの生涯を描いた映画

http://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA00008M7HN